●ブルースセッションとは?
ブルースセッションとは、「ブルースの楽曲をその場に居合わせた参加者と一緒にリハもなしにいきなり演奏する」ことです。
これだけ聞くとかなり難易度が高く、そんなこと無理じゃないの??、と思われるかもしれませんが、ある一定のルールさえ覚えてしまえば楽器を始めたばかりの方でもすぐ参加が可能です。
●ブルースって?
ブルースは米国深南部のアフリカ系アメリカ人の間から発生した音楽とされています。
初期のブルースはギターの弾き語りによるものが多く、米国深南部からシカゴ、ニューヨーク等へとどんどん北上し、形式を変えバンドスタイルになり発展していった、と言われています。
現在、日本の各地で行われているブルースセッションと名の付くものは、このバンドスタイルである「シカゴブルース」、あるいはそれとロックンロールが融合した「ブルースロック」と呼ばれるもののセッションであることがほとんどです。
●セッションって?
セッションという言葉は様々な意味合いを持つ言葉ですが、この場合、「その場にいるミュージシャンが簡単な打ち合わせと合図のみに基づく即興演奏を展開するジャムセッション」、という意味になるかと思います。
これにはブルースやジャズ、ファンク、ソウル、ロック、インプロ等様々なジャンルでしばしば行われることがあり、ミュージシャン同士のコミニュケーションとして楽しまれたり、またすばらしい演奏になると見ている観客をも巻き込んで盛り上がることが多々あります。
●なんで「ブルースセッション」なの?
簡単に言うと、「ものすごく参加の敷居が低い」からです。
ブルースの楽曲の多くは、「12小節ごとの決まった進行を繰り返して歌、各楽器のソロ回しを交互に行う」ことで成立しており(例外多数あり)、この決まった進行さえ覚えてしまえば、「とりあえず」でもセッションに参加することが可能になります。
●実際のセッションの流れ
基本的には歌を歌う方が楽曲を決め、ソロ回し等を指示することで成り立つのですが、歌う方は
「じゃあ、曲はスイートホームシカゴ、キーはE、リズムはシャッフル、頭からいきます」
等ということを説明します。
この場合。キーがEという説明から、曲のコード進行が以下の通りに決まります。 ※1.
|EEEE|EEEE(AAAA)|EEEE|EEEE
|AAAA|AAAA|EEEE|EEEE
|BBBB|AAAA|EEEE|EEBB ※2.
(|と|の間が1小節)
上記の12小節がこの曲の進行となります。(2小節目の()は後述します ※3.)
シャッフルというリズムはブルースの楽曲にはしばしば登場し、タッタ、タッタ、タッタ、タッタという感覚のリズムで、3連符の真ん中の2拍目を抜いたようなリズムに近いものです。
リズムにはこの他に8ビート、4ビート(スウィング、ジャズ風とも言われる)、2ビート、スロウ(3連)等があります。
頭から、というのは12小節の初めから始めます、という意味です。この他にケツから、ということも多くありますが、これは曲の始まりだけ9小節目の|B|のところから始めます、という意味です。
そして、上記の12小節を指定のリズムで繰り返し、ボーカルの方は他の参加者であるギターやハーモニカ、ピアノ等の方に交互にソロ回しを振ります。
ソロを振られた方は、曲の進行を考えながら自分の見せ場であるソロを思い切り披露するわけです。
このソロはもちろん、バッキングをうまく演奏するにも練習が必要ですが、上記の決まりを覚えてしまえばコードのバッキングだけでもセッションに参加し、周囲の参加者と一緒に演奏することが出来てしまいます。
この他にも、歌う方はブレイク(音を一旦止める)の合図や曲終わりの合図等、バッキング、リズム隊の方々は、歌を歌っているときはボーカルが聞こえるような音量での演奏、ソロの時は自分が目立つよう音量を上げ、ソロの終わりは歌う方に目線を送りソロの終わりを合図する、等々決まり事はいくつかありますが、参加して覚えていったり、また他の方の演奏を見ているだけでもとても参考になります。
ブルースの基本進行は多くの有名曲にも使われています。
ブルースのフィーリングは著名なロック、ジャズその他のミュージシャンに多大な影響を与えており、多くの音楽の基礎となっているといっても過言ではありません。
是非ともあなたもBears青森のブルースセッションに参加し、周りと一味違う演奏の腕を身につけちゃいましょう!!
※1.ブルースの楽曲には例外も多くあり、セッションでちょっと変わった進行の曲をやられる方もいらっしゃいます。
難しい曲はまだ自信がない、という方はあらかじめセッションホストに告げて頂ければ、単純な進行の曲を多く演奏できるよう配慮いたします。
もちろん、できるかわからないけどチャレンジしてみたい!ということも大歓迎です!
※2.基本キーがEの場合はこの図になります。
もしAの場合、
|AAAA|AAAA(DDDD)|AAAA|AAAA
|DDDD|DDDD|AAAA|AAAA
|EEEE|DDDD|AAAA|AAEE
となります。
基本キーをⅠとした場合に
|ⅠⅠⅠⅠ|ⅠⅠⅠⅠ|ⅠⅠⅠⅠ|ⅠⅠⅠⅠ
|ⅣⅣⅣⅣ|ⅣⅣⅣⅣ|ⅠⅠⅠⅠ|ⅠⅠⅠⅠ
|ⅤⅤⅤⅤ|ⅣⅣⅣⅣ|ⅠⅠⅠⅠ|ⅠⅠⅤⅤ
となるのです。
もし、キーがEとAの曲しかできないんだけど…、とか、ハーモニカのGとDしか持ってないんだけど、、等々ありましたらホストにお伝えくださいませ。
なるべくそういった曲の場面で参加できるよう対応致します(できない場合もあります!そのときはスイマセン!)。
※3.キーがEの場合、2小節目がEのままの場合と、Aに変わる場合があります。
Aに変わる曲の場合、俗に「あがる」といい、セッションのときに「2小節目はあがります」と伝える方もいらっしゃいます。(音が上がっているように聞こえるため?)
この場合は()書きのほうのコード進行で進めていくことになります。
案外どちらでもよかったり、曲の途中で変わったりすることもあるので、何も伝えられなかった場合は曲の雰囲気を感じながら対応することも大切です。